法的手続きが進行していたクラウドバンクのDR社バイオマス発電ファンドについて、第一審判決においてクラウドバンク側の主張が一部認められる形となりました。一方で、伊藤忠テクノスチール側は控訴の方針を発表しています。
投資家の資金回収についてはまだ時間を要する見込みですが、第一審判決により一歩前進した可能性があると考えられます。今後も引き続き注視していくことが重要です。
法的手続きの経過
クラウドバンクの発表内容と解釈
- 対象ファンド:DR社バイオマス発電ファンド
- 訴訟内容:連帯保証人を被告とした貸金返還等請求訴訟
- 判決日:令和7年10月28日、第一審判決
- 判決内容:
- 連帯保証人に対し、営業者に対する遅延損害金※を含む金8億8,337万円(融資額の約88.3%相当)および訴訟費用の一部の支払いを命ずる旨の判断
第一審において、クラウドバンクの主張が一部認めらたことから、裁判所が、契約・手続きの適正性について一定の理解を示した可能性があります。投資家にとって、資金回収見通しに関して、一歩前進したと評価できる内容です。
※下記の関連記事では、本案件の遅延ファンド詳細を整理しています。

伊藤忠テクノスチールの対応
- 一審判決を不服とし控訴
- 控訴審においても、自社の正当性を主張
今回の判決は、金額も大きく、判決内容を精査する時間を確保する上でも、大企業のとる定石の行動といえるでしょう。過去の事例を見ても、企業規模にかかわらず、第一審で不利な判断が出た際には控訴を行うケースが一般的です。一方で、法的手続きが長期化する場合、企業の社会的イメージや取引先おの関係に影響するリスクもあります。
そのバランスをどう取っていくか、今後の注目点の一つになりそうです。
控訴審に関する参考情報
控訴審ではどのような流れで手続きが進み、判決までにどのくらいの期間がかかるのか。投資家として今後の見通しを理解する上で役立つ、控訴審の一般的な仕組みを整理してみましょう。
- 控訴審の性質
- 控訴審は、一審の判断をゼロから見直す場ではありません。第一審の判決を基礎に、「判決に誤りがあるか」を争う場となります。
- 手続きの期限
- 控訴状提出:第一審判決送達後 2週間以内
- 控訴理由書提出:控訴状受理から 50日以内
※いずれも期限厳守が必要です
- 判決までの期間
- 過去の統計では、控訴審の判決までにかかる期間は 6か月以内が最多 とされています
- 逆転の可能性
- 控訴審で第一審判決が覆る確率は統計上 約15% と低いです
もちろん、統計は過去のデータに過ぎません。今回の案件がどのような結末を迎えるかは、最終的な結果でしか分かりませんが、投資家にとって参考になる情報と言えるでしょう。
※引用元:控訴審の解説記事はこちらでご確認いただけます。

まとめ
2023年5月の遅延報告から、約2年半が経過しました。これまで先行きが見えなかった案件です、控訴審で新たな証拠が出る可能性がありつつも、現時点では、第一審判決に基づき、投資家の資金回収の見通しが一歩前進した形となります。
最終的な判断は上級審へと持ち越しとなりましたが、今後の控訴審での手続きや判決結果にも注目していきましょう。
また、クラウドバンクの報告は、10月28日の判決結果を翌日に公表するという、非常にタイムリーな対応が評価できます。投資家の資金の行方についても、今後、迅速かつ透明性の高い情報開示に期待したいところです。
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SAKSUC
