LEVECHY(レベチー)ファンド25号を読み解く― 北海道ニセコ原野と遅延継承リスク

本稿では、LEVECHY(レベチー)で募集された25号ファンドについて、初見の投資家が見逃しがちなポイントを公開情報をもとに客観的に整理してお伝えしています。

ソフトバンクホークスとのスポンサー契約や、TVCM、キャンペーン展開など、次々とメディア戦略を展開し、「勢いのあるクラウドファンディング事業者」を演出するLEVECHY。華やかな広告やタイアップは安心感を与える一方で、投資家が本来チェックすべき「ファンドの中身」を充分に理解されないまま出資判断が下されるケースがあります。

特に、今回取り上げる「25号ファンド」は、遅延が発生した13号ファンドの”継承ファンド”として位置づけられている点が重要です。募集ページでは「継承」という言葉が使われていますが、このページ単体を見ただけでは、13号ファンドの実態は見えてきません。その言葉が何を意味するのか、どのような経緯で組成されどう収益化していくのか、慎重に読み解く必要があります。

注目ポイントは以下の通りです。

ポイント

  • 遅延が発生した13号の継承ファンドである
  • 土地の公示価格について誤解しないこと
  • 出口戦略は想定ベースの情報
目次

25号ファンドのポイント解説

13号ファンドの概要と「遅延」の背景

まず押さえておきたいのは、25号ファンドが”新規案件”ではなく、同じ北海道ニセコを舞台とした13号ファンドの遅延案件を引き継ぐ構造である点です。13号ファンドは、当初「売却契約締結済」として募集していましたが、予定していたスケジュールで売却が進まず、運用終了が延期される事態となりました。

13号ファンドの内容をチェックしましょう。

  • 運用期間:2024年8月30日~2025年4月30日
  • ステータス:運用中(2025年10月28日確認時点)

このような場合、通常は同一ファンドを延長・リスケジュールして存続を続け、新たな売却先を探すか、損失処理のうえで清算するのが一般的です。しかし、レベチー25号ファンドでは「継承ファンド」という形で、新たな募集を行い、資金を再構成してプロジェクトを継続しようとしています。

もちろん、リファイナンスという選択肢そのものは、金融的に禁じられた手法ではありません。
ただし、それが「再生」なのか「延命」なのかを見極めるには、新規資金の使途と出口戦略の実効性を確認する必要があります。

投資家として問われるのは、「再構成された資金がどこに向かうのか」「なぜこの時期に再募集が必要なのか」という点を限られた情報から読み解く力です。
この点をあいまいにしたまま継承ファンドに出資すれば、もしかしたら”遅延リスクの肩代わり”をしてしまう恐れもあります。

手軽な投資を謳う事業者が増加する一方で、こういった難易度の高いファンドが紛れている点に注意が必要です。

北海道ニセコの土地――公示価格と“原野”の実情

ファンド説明ページでは、「世界的リゾート地・ニセコひらふの開発用地」として、魅力的な表現が並びます。確かに“ニセコ”という地名にはブランド力があり、観光客の増加や外国人投資家の注目など、明るいイメージを抱かせます。

しかし、それが同じニセコエリアだとしても、地目や立地によって土地価格は大きく異なります。

募集説明では「ニセコひらふ5条の公示地価推移」として、国土交通省の数値情報をもとにしたグラフが掲載されています(2025年時点の公示地価:181,000円/㎡)。

賢明な投資家であれば、情報源まで確認し、「公式データが引用されているなら安心だ」と感じるかもしれません。
しかしながら、ここで注意すべきなのは、その公示価格がある一点の「宅地」のものであるという点です。

ファンドで対象となっている土地が「原野」や「雑種地」であれば、評価はまったく異なります。その状態により造成等の開発費も大きく変わるでしょう。同じ「ニセコ」の名を冠していても、実際の地価水準には大きな開きがあることを理解する必要があります。

原野の価値は、立地、土地の形状、道路接道状況、開発可能性、需要動向などによって大きく変動します。
募集ページに掲載される公示価格はあくまでひとつの参考値であり、対象物件の売却価格とは異なる可能性が高いことに注意が必要です。

つまり、並べられた数値だけで価値を判断せず、土地の性質や利用可能性を踏まえて慎重に検討することが重要です。

出口戦略は“想定”に過ぎない

25号ファンドの説明では、対象土地の単独売却隣地との共同売却を出口戦略として掲げています。また、国内外の投資家やデベロッパーに向けた売却活動も強調されています。

しかし、ここで押さえておきたいのは、これらはあくまで想定情報であるという点です。

  • 隣地との共同売却が可能――契約や覚書など具体的な内容には触れられていない
  • 業界大手企業にサポートを依頼した――その結果や実効性は不明
  • 売却先として想定されるデベロッパーや外資系企業、商社等――あくまで想定
  • 2027年春頃までの売却計画も――募集内容には具体性なし

特に、この25号ファンドは13号ファンドの遅延案件を引き継ぐ性質があります。前例として、13号ファンドでは当初予定していた売却スケジュールが進まず、運用終了が延期される事態が発生しています。

以上を踏まえると、出口戦略は「計画上の目標」であり、実現が保証されているわけではないことを理解したうえで、投資判断を行うことが重要です。

まとめ

ポイントを再度、整理します。

  • 遅延が発生した13号の継承――再生か、延命か、遅延リスクの肩代わりではないか。
  • 土地の公示価格――ある1点の参考値、地目も条件も大きく違う。
  • 出口戦略――書かれていることは、あくまで想定で実現は保証されない。

広大な開発地は、一般に需要層が限られるため、市場での流動性が低くなりがちです。売却の成否や期間を左右するのは、結局のところ、土地の価格評価にほかなりません。だからこそ、投資家自身が冷静に見つめ、判断することが重要です。

本稿は、LEVECHYの公開情報をもとに考察した記事であり、投資家に向けられた限定情報等を確認するともしかしたら違った見方がが出てくる可能性もあります。しかし、どんなときでも広告やキャンペーン、利回り等表面的な数字に惑わされず、情報を充分に吟味し、リスクを理解したうえで慎重に判断することが求められます。

北海道・ニセコのリゾート地は、確かに魅力ある場所です。けれど、その名を冠した不動産クラウドファンドが同じ輝きを持つとは限りません

幾重にも重なる白銀の幻想に惑わされることなく、そこに眠る原野の現実を見つめて欲しい。
真に価値ある投資は、創られた輝きの下に眠る”地の色”を見極めるところから始まります。


重なる白銀の地をかき分け
のぞく大地の
色を知るとき
雪はとけ、サクラサク🌸

SAKSUC

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この記事を書いた人

投資歴はおよそ10年ですが、最初は利回りやトレンドを追う程度でした。
本格的に調べ、試行錯誤を重ねるようになったのはここ数年です。
初心を忘れず等身大の経験を共有することで、投資や社会問題に悩む人の参考になればと思っています。

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