不動産クラウドファンディングや融資型クラウドファンディングでは、必ず「プロ」が登場します。
広告やパンフレット、ウェブサイトでは「プロが関わっているから安心」とアピールされがちです。
しかし、ここで覚えておいてほしいのは、プロ=失敗しない人ではないという点です。
肩書きや経験だけを拠り所にして安心してしまうのは、まるで「ライフジャケットを着ているから絶対溺れない」と信じ込むようなもの。安心感の裏側には、見えないリスクの海が広がっているかもしれません。
プロとは何か ――プロフェッショナルの捉え方
「プロ」は、英語のprofessionalをカタカナかつ短縮化した言葉です。一般的には次のような意味で使われます。
- 専門的な仕事に従事している人や、報酬を得ている職業人
- 特定の活動に関して能力が高く、技能に優れる人
ただし重要なのは、これらの条件は必ずしも AND(両方を備えている) ではなく OR(どちらか一方でも「プロ」とみなされうる) という点です。
つまり、たとえ技術力や能力が伴っていなくても、職業人であれば「プロ」と呼ばれることがあります。能力や倫理、そして投資家への誠実さが必ずしも保証されていない ――この認識が、「プロ幻想」に踏み込まない第一歩です。
プロでも失敗する現実
実際にプロが関わった案件でも、失敗することは珍しくありません。
- 物件の選定ミス
- 市場動向の読み違い
- 予期せぬトラブル(工事遅延、法的問題など)
経験豊かな運営者でも、想定外の事態に翻弄されることがあります。プロという肩書きや過去実績だけを信じて投資してしまうと、知らず知らずのうちにリスクの渦中に巻き込まれてしまうのです。
具体例:プロ幻想が招く失敗
クラウドファンディング投資では、次のようなケースがあります:
- 融資型案件で大量の償還遅延が発生し、資金が拘束された
- 「プロがいる」と安心して投資したが、運営者側が詐欺被害に遭っていた
- 運営会社のリスク管理の甘さにより、計画通りEXIT(償還・売却)できなかった
こうした事例は、プロがいる=安全、とは決して言えないという事実を突きつけます。
さらに注目すべきは、これらの失敗が単なる「能力不足」だけで起きているわけではないということ。プロの肩書き、魅力的な資料、洗練された演出、うまく計算された利回りなどは、私たち投資家の安心を巧みに誘導する仕掛けとなり得るのです。
なぜ私たちはプロ幻想にだまされるのか
「プロだから安心」と感じてしまう背後には、複数の心理的トラップが重なっています。そして、運営側がこれを意図的に利用している可能性も無視できません。
権威バイアス
- 「ファンドマネージャー」「不動産コンサルタント」といった肩書きだけで、無意識に信頼してしまう
見た目や資料による錯覚
- 利回りや分配予定表のグラフが整っている
- ウェブサイトや資料のデザインが洗練されている
社会的証明(ソーシャルプルーフ)
- SNSやメディアで話題になっている
- 投資者が多いこと自体が安心感につながる
過去の成功体験
- 自分や知人が過去にうまくいった案件を過信しやすい
こうした心理が組み合わさることで、プロ幻想は強力な錯覚として私たちを包み込みます。
しかし、それだけではありません。私たちの信頼を得たうえで、プロはその力(知識・影響力・資金力)を常に私たちの利益のために使うとは限らないのです。
真の見極め力を鍛える — 本物の判断基準
幻想に惑わされずに判断するために、押さえるポイントの例を紹介します。
案件の成果や実績の透明性を確認する
その案件の内容の透明性はもちろん、過去の投資結果や運営会社の対応履歴をチェックしましょう。計画通りに進んだか、遅延やトラブルがあったかを確認することは大切です。
また、償還されたと報告があっても、まだその案件が完成していない場合もあります。次も安心とは限りません。
第三者評価やレビューを参考にする
ただし、ネット上の評判や口コミには注意が必要です。特に報酬目的のアフィリエイトや広告情報が多く混ざっているため、信頼できる情報源を見極める力が求められます。
言うことと行動、計画と実績の一致を確認する
運営会社や担当者の言葉だけで判断せず、計画と実際の行動が一致しているかを必ず確認しましょう。肩書きや見た目ではなく、数字と行動で判断するクセをつけることが重要です。
力の使われ方を疑う視点を持つ
たとえ高い能力を持つプロであっても、その力が私たちのために使われるとは限りません。
だからプロは“味方”ではなく、その姿勢や利害をこちら側が見極めるべき相手なのです。
まとめ:幻想に惑わされないクセを
プロという肩書きや派手な演出は、安心感を与えますが、それ自体が安全を保証するものではありません。複数の要因が絡み合うことで、私たちは「プロ幻想」に陥りやすくなります。
大切なのは、肩書きや評判に惑わされず、数字や行動で判断するクセを身につけることです。冷静に情報を見極める目を持てば、幻想にだまされるリスクを大きく減らすことができます。
「プロがいるから大丈夫」という思い込みから自由になり、数字や行動、透明性を基準に自分で判断するクセをつけることが、長期的に安全で賢い投資への第一歩になります。
私は、盾を配りたい。
薄く広く張り巡らされた、この正体のない悪意から、あなたを守る盾を。
――この言葉が、あなたの心に届きますように。
たくさんの人が集う先に
安心の幻想が漂う
自らの足を信じた先に
小さな芽、確かにサクラサク🌸
SAKSUC
